蘇生講習・実習

万が一の時に動ける実践トレーニング

麻酔は、適切に行えば安全性の高い処置です。しかし、どれほど熟練した術者であっても、偶発症のリスクをゼロにすることはできません。

アナフィラキシーショック、局所麻酔中毒、血管迷走神経反射。発生頻度は高くなくとも、起きた瞬間に適切な対応ができるかどうかが、患者さまの命に関わります。

だからこそ、麻酔と蘇生は切り離して考えるものではありません。

IDMAでは、麻酔技術と救急対応を一体として学ぶことを重視し、実際の臨床を想定したトレーニングを行っています。

「万が一の事態に対応できるか」ではなく、「万が一の事態に、その場で迷わず動けるか」。

それが、麻酔を担う者に求められる責任です。そして、その基準を引き上げることが、IDMAの役割です。

蘇生講習・実習で学ぶこと

01|歯科診療中に起こりうる偶発症と初期対応

救急蘇生法の講習

歯科診療の現場では、予期せぬ体調変化や偶発症が起こる可能性があります。
重要なのは、発生した後の対応だけではありません。その前段階で「何かおかしい」と気づけるかどうか。

IDMAでは、歯科診療中に起こり得る全身的な変化について、その特徴や兆候を理解し、早期に異常を捉える力を養います。
目の前の患者さまの変化に気づき、適切な初動につなげるための判断力を身につけること。
状態を正確に捉えられることが、迅速な対応の第一歩です。

「何かおかしい」と感じたその瞬間に動けるかどうかは、事前にどれだけ実践的なトレーニングを積んでいるかに大きく左右されます。
その一瞬の気づきが、その後の対応、そして患者さまの安全に大きく影響します。

02|一次救命処置(BLS)の実習

心停止や呼吸停止といった緊急時に対応するための、胸骨圧迫・人工呼吸・AEDの使用を含む一次救命処置(BLS)を実習形式で学びます。
知識として理解していることと、実際の場面で体を動かして対応できることは全く別です。

本講習では、マネキンを用いた実習を通して、手順や動きを実際に確認しながら、現場で動くための基礎を身につけていきます。
また、歯科医師と歯科衛生士が同時に受講することで、緊急時にどのように連携し、役割を担うかをその場で共有・確認します。

緊急対応は、一人で完結するものではありません。
チームとして迷わず動けるかどうかは、事前に共通認識を持ち、実際に経験しているかに大きく左右されます。

チームで行うBLS実習

03|救急薬品・器材の取り扱い

エピペンデモ機を用いた実践的な実習

アドレナリン(エピペン®)製剤の使用タイミングと投与方法、酸素吸入器の操作、AEDの設置と使用手順など、歯科医院で求められる救急対応の基礎を実践的に学びます。

重要なのは、機材や薬剤を「見たことがある」状態で終わらせないことです。緊急時に迷わず取り扱える“使える状態”にしておくことが、対応の速さと質を大きく左右します。

IDMAでは、各機材の役割と使用の流れを理解したうえで、実際の現場を想定しながら確認を行うことで、万が一の場面でも確実に行動へ移せる準備を整えます。

安全は医院全体で備えるもの

蘇生を学ぶことは、個人のスキルアップにとどまりません。
歯科医師と歯科衛生士が同じ基準で理解し、同じ動きができる状態をつくることが、医院全体の安全性を大きく引き上げます。
実際に現場でその対応を経験する機会は、多くはありません。しかし、万が一の場面は、いつどの医院でも起こり得ます。

だからこそ重要なのは、「その場になってから考える」のではなく、あらかじめ動ける状態を整えておくことです。
IDMAは、個人の技術習得にとどまらず、医院全体として安全に対応できる体制づくりまでを見据えた教育を行っています。